【概要】コロナ禍で在宅勤務していたり、真逆で強制的に出社させられたり。「いまのままで良いのか」と思うことが増えた方、多いと思います。そんな時、その状況を理解して、どう次の一歩を踏み出すせば良いのかを導いてくれる本をご紹介します。

なんとなく不安というか。
前から、いまのままで良いのかと考えることはあったのですが。
ここ最近、そういったことを考えることが多くなってしまって。

いまの仕事に不満があるのですか?

うーん、どうだろう。
でも、不満はあると思います。
あー、どうしてそんなことばかり考えるんだろう。

そういう方は多いので、あまり悩まないでください。
背景として、日本での働き方が、ここ数年でかなり加速的に変化しています。

働き方ですか。
そういえば、働き方2.0とかって聞いたことあります。
そもそも、1.0とか2.0とか何なんでしょうか?

そのあたりの説明がある本がありますので、ご紹介しますね。
副題が「不条理な会社人生から自由になれる」。
興味ありますか?

あはは。
確かに、会社って不条理ですね。
はい、ぜひ、ご紹介お願いします。
会社人生は不条理だとして、そこから自由になるには?
今回、ご紹介するのはこちらです。
「不条理な会社人生から自由になれる」っていうのが、なんか自分のことを言われているみたいで、早速、手に取ったら、はまっちゃいました。
目次はこんな感じです。
1 生き方・働き方が衝撃的に変わる未来
2 前近代的な身分制社会・日本
3 会社や管理職はなくなるのか?
4 「未来世界」で生き延びる方法
全部で4章ですが、かなり深堀しており、密度は高いです。
まず、働き方についてですが、冒頭の「はじめに」で記載があります。
働き方1.0 年功序列・終身雇用の日本的雇用慣行
働き方2.0 成果主義に基づいたグローバルスタンダード
働き方3.0 プロジェクト単位でスペシャリストが離合集散するシリコンバレー型
働き方4.0 フリーエージェント(ギグエコノミー)
働き方5.0 機械がすべての仕事を行うユートピア/ディストピア
P3
そして、
政治的に進めている「働き方改革」は、1.0を2.0にしようとしている
というのが、同ページで記載されており、こう整理していると納得感が深まりますね。
この本ですが、全体的に、きちんと用語の定義づけしており、日常的に流してしまうキーワードを再理解することができます。(例えば、P12では「サラリーマン」と「ビジネスパーソン」の違いなんかもきちんと区別しています。「そう言われれば、この違いってなんだろう?」って気になるでしょ?)
海外の事例も多く記載されていますが、日本企業に勤めている方であれば、次の部分をまず読んでから、全体を読む方が理解しやすいと思います。
未来世界で管理職はいなくなるのか?
P164~
これについては、現在管理職の方は興味があると思いますし、管理職じゃない人も、マネージングしている上司が将来どのようになっていくかという視点では興味深いと思います。
「人生100年時代」にもっとも重要なのは、好きなこと、得意なことを仕事にすること……
P201
いまのYoutuberなんかが、そうですよね。もしくは、野球選手やサッカー選手もそうかもしれません。
P201以降では、「そんな甘いことが通用するはずがない」と反論するであろう人についても、きちんと説得している部分があり、必見です。
特に、お子さんがいらっしゃる方は、自分の会社員人生を含めて、
「働くことは苦役であって良いのか?」
という問いを自問自答するきっかけになると思います。(自分自身、いままではお給料をもらっているから仕方ないって我慢していましたが、本当にそのままで良いのかって考えるきっかけとなりました。)
さらに、次の部分では、やられました。
パワハラやセクハラをする上司、ライバルの足を引っ張ることしか考えていない同僚、無能なくせにプライドだけは高い部下……。そのストレスで健康を害しているひとが現代社会にはものすごくたくさんいます。
P237
この部分にはとても共感しました。
そして、その解決方法はP237に記載してあるのですが、いやぁー、やられました。
速攻、それをヒントに行動して、おかげさまでいまはとてもストレスが少ない状態でいれています、はい。
ストレスといえば、こういう切り口でも記載があります。
……こころの病は長く働くことが原因ではありません。「いやなこと」をえんえんとやらせるから苦しいのであって、好きなこと、楽しいことであればどれほど長時間労働でもまったく苦になりません。……
P237
いやぁー、おっしゃる通りです。
子どもの頃、ずっとゲームしてたり、マンガ読んでいたりしていましたが、全然、辛くなったです。
ちなみに、この部分では、超有名人の例を挙げており、それも納得でした。
ちなみに、「いやなこと」は次のように本では定義されています。
1つは、なんの意味があるのかわからない仕事。……
2つめは人間関係。……
3つめは、自分の能力を超える仕事の責任を負わされること。
P238
どうでしょう。どれも納得ではありませんか?
もちろん、こちらの本では、じゃあ、どうすれば良いのかという方向でも書かれています。
始めるのに遅すぎるということはない
P259
実例を挙げていましたが、読み進めると、「でも自分は……」っていう思考を一気に粉砕してもらえました。
そして、「おわりに」でこういう記載がありました。
……ほんとうに重要なのは……勝ち負けではなく、自分と家族が幸福にいきられるかどうか……
P263
特に、家族がいらっしゃる方は、ここに原点回帰すると、この本の良さをぐっと引き出すことができると思います。