【概要】コロナ禍で、定年後の働き方もずいぶんと変わります。まもなく定年を迎える方はこのまま逃げ切ることができるでしょうが、そうではない方、定年まで数年以上ある方は、どのようにキャリアを考えれば良いのか?実際に行動し奮闘した方の著書をご紹介します。

定年まであと少しなのに、コロナ禍。
これからの人生が不安で仕方ないです。

定年後は、いまお勤めの会社で継続されるのですか?

そのつもりですが、まだ手続きは先なんですよね。
在宅勤務も本格的になっているし、環境がかなり変わっていて。
正直、ついていけない状態です。
理不尽な上司や会社の命令とかいままで耐えてきたのに。
なのに、年功序列や終身雇用とかどうなるんだろう。
はぁ。

例えば、こんな本を参考にされてはどうでしょうか?
前向きになると思いますよ。

はぁ。
いままでの人生ってなんだったんだろう。
(ブツブツ……)
こうなったら、50歳からのキャリア戦略をするしかない
「終身雇用」を暗黙の約束してずっと我慢していた世代は50代になると思います。
昨年ですが、トヨタ社長も「終身雇用を守るのは難しい」とおっしゃっていました。
そんな中のコロナ禍。
これで、一気に、
・終身雇用
・年功序列
の崩壊が加速しました。
自分の周りの世代でいうと、20代~30代は元々、会社に終身雇用や年功序列なんて期待していない層が多いです。
40代は微妙な状態。「おそらく逃げ切れないだろうけど、でももしかしたら……」と思っている人が割と自分の周りにはいます。
その一方で、50代。この層は、逃げ切ることができると思っていた世代でもありますので、現在の悲壮感が半端ないです。だって、人によっては、会社が倒産したり、解雇されたりしているのですから。
さて、そんな中で、今回ご紹介するのはこちらの本です。
成功者のアドバイス本ではなく、著者自身がかなり苦労された経験を元に書かれたものになります。
(例えば、P231では著者が社内失業した様子が書かれています。)
こちらの本の構成はこのような感じです。
目次
第1章 まだ辞めてはいけない人たち―もしいま早期退職したらどうなる?
第2章 「お金、肩書き」から「働きがい」へ―人生後半戦のキャリアの考え方
第3章 会社は「学び直しの機会」に溢れている!―辞める前にできることはまだまだある
第4章 50歳からの働き方を変える「7つの質問」―筆者・前川孝雄の七転八倒体験から人生後半戦の働き方を考える
こうやってみると、わずか4章の構成ですが、ページ数は300を超える肉厚の本です。なのに、1000円ちょっとのお値段です。
さて、この本の読者対象として、次のように考えている方であれば、超絶おすすめです!
「部下を育てろというのはわかるけど、これまで自分自身はそんな丁寧にそだててもらっていないのに」
「面談で部下のやりたいことを聴くのはいいけど、仕事はやりたいやりたくないではなく、やるものでしょう」
P312
……こういう考え方の年配の上司、みなさんの周りにもいませんか?
そういうイヤミなおじさんたちが、いま、窮地に立たされているなんて、ちょっと驚きでした。
さて、この本の良いところは、
「具体的にどうすれば良いかが現実的に」
が書かれているところです。冒頭でもこのように書かれています。
……必要な考え方と具体的な準備について、見てきた事例や私自身の失敗談も交えながら、皆さんに解説していきましょう。
P17
そう、この現実的な点が、類書にないこの本のウリでもあります。
……私は「会社にしがみつけ」と言いたいわけではありません。「辞めるな」ではなく「”まだ”辞めるな」なのです。つまり、会社を辞める前に、あなたには今の会社でやっておくべきことがまだある、ということです。
P5
さらに、具体的に、「まだやめてはいけない人」の特徴を7つあげています。これについては、P35から詳細が書かれています。
また、継続雇用の現実についてもこのような現実が書かれています。
……マネジメントしていた人は、今の会社で継続雇用を選ぶと、部下の立場になりプレイヤーとしての筋力を求められます。指示して人を動かす立場から、自分で動く立場に戻る……
P13
そりゃそうだなっていうことかもしれませんが、大切なのは、その認識を継続雇用前に意識しておくことかもしれません。
現在のコロナ禍の時代は、まさに「変化の時代」となります。それについては、このような記載があり、しっくりきました。
変化の時代には、新たな状況・環境に直面するたびに、素直な心で貧欲に周囲から学ぶ姿勢が不可欠です。そして、変化そのものを楽しむマインドが求められるます。それらは今の会社にいながらでも十分に養うことができる……
P49
うーん、いまの自分にはちょっと無理。それは、変化を楽しむ余裕がない為なのですが、それはこれからの課題にすることができました。
この本では結構、繰り返しあるのですが、50代は「我慢」の世代のようです。
我慢して努力をすれば、経済的に成功して、家族も養えて幸せになれる……
P103
だから、50代の上司は、部下にも「我慢を強いる」んですね、なるほどなるほど。
その世代の上司ですが、定年後に待っていることが2つあります。
これらはP118と119に記載があるのですが、思わず、かわいそうだなと感じてしまいました。
ただ、「このまま何もしなければ」ということであり、反面教師的な解釈をするかどうかが分かれ道になるとも思いました。
その年齢にならないと分からないことも、この本では書いてありました。
例えば、
「人生後半生に必須の3条件」
というのは分かりますか?
一つは「友だち」。もう一つは「希望」。そして、最後は……。P149に記載がありますので、このページはじっくり読んでおくことをお勧めします。
1章と2章で現実を理解したのち、第3章では、
「キャリア自立」と「複業」
がテーマです。
まず「キャリア自立」ですが、このように説明がありました。
……他者から管理・支配されるのではなくて、自分で作った規律や規範に則って働くこと……
P158
さらに、「複業」はこのように定義づけがあります。
……「副業」ではなく「複業」とは、プロフェッショナルとして、異なる複数の仕事を持ち、それぞれの仕事で市場価値を発揮し、評価を受け、相応の対価を稼ぐこと……
P197
P184では「T字型」について記載がありました。
が、自分の社会人経験に偏りがあり、正直、良く分かりませんでした。ただ、この知識はかなり重要なので、ネットでいろいろ調べると、こちらが分かりやすかったです。
この動画、おすすめですよ。
ちなみに、青学・原監督も、50代で、この本の著者と同じ世代でした。
と、ここまで、具体的に人生後半生にやりたいことが分からないという方もいると思います。自分を含めて、ほとんどそういう方が多いと思います。
じゃあ、どうすれば良いかという話になりますが、この本をご紹介した訳がここにあるんです。
P291からワークシートがあるんです。
これがまぁ、素晴らしい。
自分のような人間でも、キャリアプランニングができたんですから。
最後に、いま50代であれば、この本にあることをしっかりと理解して、ワークシートに取り組むことをお勧めします。
その際に、絶対に間違ってはいけないことは、「あるもの頼み」で行動すること。
これについては、P315に記載がありますので、しっかり読んで行動してください。
その一方で、40代の場合は、「ないもの構築」がまだ出来る(間に合う)世代です。
本の途中で「ミドルの”キャリア自立ケース”」というコラムのようなものがありますので、それを参考にすると良いでしょう。
あと、P203で紹介がある対談はこちらになります。
スピード感があって読みやすいです。ぜひ、ご参考にしてください。